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敷金・礼金の設定

安心してアパートを経営していくために現実的に必要なのは、安定した収入です。このページでは、収入に繋がる良質な入居者を獲得するために見落とせない、敷金・礼金に関する情報を紹介します。

敷金を設定することの必要性

所有物件に空室が多いオーナーからすれば、まずは空室を少しでも早く埋めて家賃を回収し、収入を上げたいものです。物件のセールスポイントで見かける「敷金・礼金なし」という文句は入居者にとって大変魅力的ですので、経営者としても是非取り入れたい戦略。しかし、入居者を集めるために安易に「敷金・礼金なし」と設定してしまうのは、後々のトラブルを招き兼ねません。安心してアパートを経営していくために、敷金の必要性について解説します。

敷金を設定しないことによって起こったトラブル

アパート経営をしているKさんの体験談です。

経営を始めたばかりのころ、空室が多く焦っていたKさんは、敷金を取らない方法で入居者を集めようとしました。実際、この作戦は成功したようで、一気に空室が少なくなったそうです。
しかし、それからしばらくしてトラブルが発生しました。家賃を滞納し始めた賃貸者が出たのです。問い合わせてみたところ「もう少し待ってほしい」という何とも曖昧な返答でした。それぞれの生活があり、事情があるのは分かっていても、家賃を滞納されるとKさんとしても大変な痛手になります。不安になったKさんは、家賃を滞納している住人について、詳しく調べてみました。すると、衝撃の事実が発覚!なんと、その人は個人再生中だったのです。個人再生とは、自己破産に近い状態のことです。入居者がそのような状態では、収入を上げるどころか、家賃を回収すること自体が難しくなります。その後、家賃の滞納はこりごりだと痛感したKさんは、敷金・礼金をしっかり設定したそうです。

 経営者として、あまりにも生活にゆとりのない人の入居は先行きが不安定で心配になります。しかし、敷金を設定していないと、生活状況が厳しい人や家賃などの義務に対してルーズな人が入居してしまう確率も上がってきます。入居者が必ずしも収入に繋がるとは限らないのです。

入居のハードルを低くすることは、有効な空室対策であると確かに言えるでしょう。しかし、その反面で「入居者の質が下がる可能性がある」という点と、「万が一の時に滞納された分の家賃や修理費を補う保証がなくなる」というリスクを忘れないようにしましょう。

敷金・礼金について知る 

続いて、敷金・礼金について解説します。おさらいとして、ぜひ参考にしてみて下さい。

  • 敷金
    賃借人が家賃を払えなくなった時のために預かっておく担保のようなものです。また、修理費が高額になるような傷や汚れを賃借人が物件につけた場合のために、あらかじめ余分に受け取っておく費用も敷金にあたります。上記のような問題が生じなかった場合、オーナーは、賃借人の退去時に本人へ返還する義務があります。
  • 礼金
    戦災により焼け野原となった戦後の日本で、住居を失った人々が物件を貸してくれた大家にお礼の意を込めて包んだことが起源であるとも言われています。現代でも、賃貸者がオーナーに謝礼の意味を込めて渡す費用と認識されていますので、基本的には賃貸者の退去時にも、経営者の方から返還する必要はありません。関西地方では、これにあたる「敷引き」という費用が存在します。

敷金と礼金の大きな違いは、賃借人が退去する際の返還義務の有無にあります。敷金を賃借人に返還しなかったことによるトラブルもありますので、経営者としては注意しておかなければならない点です。

アパート経営で収入に繋げるための敷金・礼金設定

最終的に、敷金・礼金をどのように設定していくかは、経営者の判断に委ねられます。しかし、敷金・礼金をなくすという戦略をとりたい場合も、万が一の事態に備えて敷金・礼金を設定する場合も、その道のプロである不動産会社やその業界に詳しい人に相談してみることをお勧めします。

一般的には、敷金は家賃の2~3ヵ月分、礼金は家賃の1~2ヵ月分が相場と言われていますが、地域や場所によって異なってきます。その土地や周辺の物件に詳しい不動産会社に相談すると、その地域の敷金・礼金の相場や設定の状況が分かり、空室を埋めるヒントや安心してアパート経営をしていくノウハウを見出せることもあるでしょう。

しっかりしたアフターサポートをしてくれる不動産会社をお勧めするのはこのためです。良いパートナーになってくれる不動産会社を見つけて、経営に関する相談をし、専門家の意見やノウハウを収集しておくことが収入になるアパート経営を開始するための秘訣です。